MELK阻害剤

元東京大学医科学研究所中村祐輔研究室のゲノム包括的遺伝子解析により発見された抗がん剤の新規標的分子MELK(maternal embryonic leucine zipper kinase)は、乳がんなどの様々ながん種で発現が亢進していることが確認されています。また、このMELKが、がん細胞の増殖およびがん幹細胞の形成と維持に重要な役割を果たすことが報告され、抗がん剤の有望な新規標的分子であることが考えられます。

さらに、MELKに対して極めて高い阻害活性を有する低分子化合物OTS167を同定しました。この低分子化合物は肺がん、乳がん、前立腺がん、膵臓がん等の複数のヒト腫瘍のモデルマウスを用いた動物試験において、静脈内・経口の両方の投与経路により、顕著な腫瘍増殖抑制効果を示すことを確認しました。

参考文献:

1.Chung, H. Suzuki, T. Miyamoto, N. Takamatsu, A. Tatsuguchi, K. Ueda, K. Kijima, Y. Nakamura, Y. Matsuo. “Development of an orally-administrative MELK-targeting inhibitor that suppresses the growth of various types of human cancer.” Oncotarget 3: 1629 – 1640 (2012).
(URL: http://www.impactjournals.com/oncotarget/index.php?journal=oncotarget&page=article&op=view&path%5B%5D=790)

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