TCR/BCR解析サービス

解析技術

■ TCR/BCR解析とは

T/B細胞による抗原認識

T/B細胞は、細胞膜上に発現しているT/B細胞受容体(TCR/BCR)によって抗原を認識します。(図1)

TCR/BCR遺伝子の再構成

T/B細胞は、種々の抗原に反応するために、TCR/BCR遺伝子の再構成によって多様性を生み出し、その種類は10の18乗に上ると考えられています。(図2)

TCR/BCR解析

私たちの生体内の免疫状態は、さまざまな疾患やその治療効果に関連しています。次世代シーケンサーによってTCR/BCR遺伝子配列を網羅的に取得することにより、組織や末梢血中のリンパ球の種類や頻度を詳細に調べることができるようになりました。 TCR/BCR解析によって、免疫状態の変化をモニタリングすることや、疾患に関連するリンパ球を同定することが可能になり、治療や診断に役立つことが期待されています。

適用分野

Immunogenomics/Immunopharmacogenomics※は、免疫細胞のゲノム情報に基づいた創薬研究開発を促進し、個々の患者に適した個別化医療の提供を可能にします。

※Immunogenomics/Immunopharmacogenomics Immunogenomics(免疫ゲノム学;IG)/Immunopharmacogenomics(免疫薬理ゲノム学;IPG)は、がん領域に限らず、自己免疫疾患、臓器・造血幹細胞移植、アレルギーなどの免疫・炎症反応が関与する疾患などの根源的理解に必須の研究分野となりつつある。次世代シークエンサーの進歩によって、T細胞受容体、B細胞受容体などの網羅的な解析や免疫関連分子の解析が可能となった現在、IG/IPGは、病態の解明やそれに基づいた新規治療法の開発にとどまらず、患者ごとの治療選択、病勢のモニタリングなど個別化医療の実現に大きく貢献することは確実である。


参考:実験医学 Vol. 35 No.4 (3月号) 2017、シカゴ大学中村研究室HP https://nakamuralab.uchicago.edu/
参考文献はこちら


■ 当社独自の技術

検体からRNA抽出

TapeStation (Agilent Technologies, Inc)を用いてRNAの品質チェックを行います。

cDNA合成・遺伝子増幅

cDNAを合成し、TCR/BCR遺伝子を増幅することによりシーケンスライブラリーを作製します。
cDNA合成cDNAの5’末端に各転写産物を識別するアダプターを付加します。
PCRによるTCR/BCR遺伝子増幅単一プライマーセットを用いた5’ RACE法による遺伝子増幅を行います。
インデックスの付加複数サンプルを同時にシーケンスするため、各サンプルを識別するタグを付加します。

TCR/BCR配列の決定

Miseq (Illumina Inc.)を用いてシーケンスを行い、TCR/BCR遺伝子配列データを取得します。

データ解析

独自のアルゴリズムでPCR duplicationを除去し、TCR/BCRレパトア解析を行います。

データ処理には、東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータを使用しています。

納品物

以下の情報を表(Excel形式)にてご提供します。


1. V-J遺伝子情報

2. CDR3配列

3. V-J遺伝子およびCDR3配列の各組み合わせのリード数

4. 多様性指数


ご要望に応じて、各種グラフ作成等の追加解析を行います。

(例)V-J遺伝子およびCDR3配列の各組み合わせのリード数

(例)各種グラフ

高い検出感度

本技術の検出感度を評価するため、Jurkat細胞由来RNA(TRBV12-3-TRBJ1-2クローン 型)を10倍段階希釈(100 ng〜0.01 ng)にてヒトPBMC由来RNA 1 µgに添加したライブラリーを用いて、TCR解析を実施しました。その結果、Jurkat RNAの添加量とJurkat TCRクローン型の検出頻度の間に、強い直線性が認められました(R² = 0.998)。


高い再現性

本技術の再現性を評価するため、2回の独立した試験において、PBMCサンプルを用いたTCRα及びTCRβレパトア解析を行い、それぞれのクローンの検出頻度を算出しました。その結果、2試験間において、高い相関性が認められました(R ≥ 0.9)。





■ 参考文献・解析事例

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■ セミナー動画

当社特別科学顧問の中村祐輔氏によるTCR/BCR解析とその応用例を紹介したセミナーをこちらよりご覧いただけます。

  • 演題:Immunopharmacogenomicsのインパクト
  • 演者:中村 祐輔(シカゴ大学医学部・外科・内科教授、個別化医療センター・副センター長)
  • 収録日時・場所:2015年10月15日 BioJapan 2015 World Business Forum
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