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がんペプチドワクチン
がんペプチドワクチンにつきましては、これまでに日本人および欧米人に多く見られるHLA-A*24:02およびA*02:01を中心に、大腸がん、胃がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がんおよび肝がんなどを標的とした計42遺伝子を対象としたペプチドワクチン(※1)を既に同定しております。
また、A*11:01およびA*33:03など、様々なHLAに対応したより多くの候補ペプチドの同定を目指し、幅広いがん種を標的としたペプチドワクチンのスクリーニングを継続実施しております。
低分子医薬
低分子医薬につきましては、6種のがん特異的タンパク質を標的とする創薬研究を進めております。そのうち2種のリン酸化酵素に関して、これまでに得た高活性化合物に基づきリード最適化作業を進め、in vivo(※2)での薬効試験を実施中です。その結果、複数の化合物で高い腫瘍増殖抑制効果を確認しております。さらなるリード最適化を進めるとともに、薬効試験で有望な結果を得た化合物に対して、より詳細な薬理・薬物動態・毒性試験を進めております。
さらに、別の1種の標的酵素タンパク質に関して、これまでの構造活性相関研究による新規化合物合成の結果得られた複数の高活性化合物に基づきリード最適化作業を進めるとともに、in vivoでの薬効試験を実施中です。また、さらに別の3種の標的酵素タンパク質に関して、大規模化合物ライブラリのスクリーニングから得た高活性化合物骨格につき、リード化合物獲得に向けた新規化合物合成と構造活性相関研究を進めるとともに、in vivoでの薬効試験を準備中です。
抗体医薬
抗体医薬につきましては、3分子に絞り込んだ治療標的となるがん特異的抗原について、マウスモノクローナル抗体ならびにキメラ抗体のがん治療用抗体としての評価を行っております。1標的については、フランスで治験を実施しております。(詳細は、以下、医薬開発記載の「フランス現地子会社(OTS-France)で開発中のがん治療用抗体医薬(OTSA101)については」をご覧ください。)残りの2標的については、放射性同位体で標識した抗体を担がんマウスに投与することで、高い治療効果が得られることが判明しております。
これらの抗体については臨床開発を視野に入れた抗腫瘍効果の検討および安全性の評価を進めております。
核酸医薬
核酸医薬につきましては、高い効果が期待でき、かつ将来的に幅広いがん種への応用が期待できる開発候補として4分子を抽出し、なかでも特に効果の高い1分子に関して、in vivo(※2)での抗腫瘍効果の検討を進めております。
また、継続して新規ドラッグ・デリバリー・システムの探索も精力的に進めております。

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医薬開発
医薬開発領域においては、複数の製薬企業との提携による開発、ならびに当社独自での開発を、それぞれ進めております。
扶桑薬品工業株式会社ならびに大塚製薬株式会社と提携しております新生血管阻害作用を期待したがん治療用ワクチンOTS102(エルパモチド,Elpamotide)は、胆道がんを対象とした第U相臨床試験を実施しています。
大塚製薬株式会社と提携しております膵臓がんに対するペプチドワクチンの開発については、既に実施中のがん治療用ワクチンOCV-101の第U相臨床試験に加え、がんペプチドカクテルワクチン療法剤OCV-C01について、承認申請を目指した第V相臨床試験(COMPETE-PC Study)を開始いたしました。このOCV-C01は、「オンコアンチゲン(※3)」を含む複数のペプチドを含有したカクテルワクチンであり、膵臓がんに高い抗腫瘍効果が期待されます。また、大腸がんペプチドワクチンについては、現在、GMP下でのペプチド合成を実施しており、臨床試験を開始するために必要な非臨床試験の準備をしています。
塩野義製薬株式会社と提携しております「オンコアンチゲン(※3)」由来のペプチドワクチンの開発については、まず、膀胱がんを対象とした複数のペプチドワクチンを用いたがん治療用ワクチン製剤(S-288310)で、国内において第T/U相臨床試験を、アジアにおいて第T相臨床試験を、それぞれ塩野義製薬株式会社により実施中です。また、食道がん、肺ならびに気管支及び頭頚部における扁平上皮がんを対象とした複数のペプチドワクチンを用いたがん治療用ワクチン製剤(S-488410)については、食道がんを対象とした国内での第T/U相臨床試験を、頭頸部がんを対象にした欧州での第T/U相臨床試験を、それぞれ塩野義製薬株式会社により実施中です。さらに、加齢黄斑変性症治療用ペプチドワクチン(S-646240)につきましても、塩野義製薬株式会社が第Ua相臨床試験を開始しております。
なお、塩野義製薬株式会社とは、平成24年3月29日付で、ペプチドワクチン研究開発の継続的な発展を目的とし、対象疾患を全がん腫のみならず全疾患に適応を拡大するとともに、新たに6種の「オンコアンチゲン(※3)」由来のペプチドワクチンをはじめとする、当社がその権利を保有する大部分のペプチドワクチンを対象とし、これらのペプチドワクチンを複数個含有したペプチドカクテルワクチンを有効成分とする医薬品の、全世界における独占的な開発・製造・販売権を塩野義製薬に供与する新たな契約を締結いたしました。さらに、この契約において、より有効なペプチドワクチンの探索研究を共同で行うことも合意しております。
小野薬品工業株式会社と提携しております「オンコアンチゲン(※3)」由来のペプチドワクチンについては、肝臓がんなどを対象とした臨床試験開始を目指し、GMP下でのペプチド合成及び非臨床試験を実施しております。
当社独自のがんペプチドワクチンの臨床開発は、シンガポールのNUH(National University Hospital)にて胃がんに対するワクチンOTSGC-A24の第T/U相臨床試験を実施しております。
フランス現地子会社(OTS-France)で開発中のがん治療用抗体医薬(OTSA101)については、フランス・リヨンにあるレオンベラールセンター(Centre Leon Berard; CLB)などにおいて、Jean-Yves Blay教授(肉腫治療の世界的権威、欧州がん研究・治療機構(EORTC)会長)の指揮のもと第I相臨床試験(治験)が施行されています。なお、OTSA101ついては、欧州医薬品庁(EMA)のオーファン医薬品委員会(COMP)より、軟部肉腫に対するオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)として指定することを欧州委員会(European Commission)に対して勧告する意見が採択されております。
[用語解説]
(※1) ペプチド
タンパク質又はタンパク質の断片のこと。
(※2) in vivo
in vitroとは対比的に用いられ「体の中で」を意味する医学・化学用語です。一般に生体内(主に実験動物)での実験
的検証を意味します。
(※3)オンコアンチゲン
がん細胞に特異的に発現し、増殖能などがん細胞に必須の機能を有する一方、正常細胞には極めて発現の低い分子
で、細胞傷害性T細胞から認識される抗原性を持った腫瘍特異的な標的分子を指します。
(※4) CLARA
CLARA (Canceropole Lyon Auvergne Rhone-Alpes)は、2003年にフランスで開始されたCancer Planの一部として、がん研究の発展を目的に、州当局により出資・設立されました。CLARAは、研究者、臨床医とローヌ・アルプ、オーヴ
ェルニュ地方の企業を結びつけ、がんとの闘いにおける地方、国内、及び国際的な戦略をコーディネートしています。
CLARAは、患者の利益になる技術移転を最大化するために、特に、企業と臨床医及び学術チームとの間のパートナーシップの構築に貢献しており、ローヌ・アルプ、オーヴェルニュ地方を、がんとの闘いにおけるヨーロッパの中心
地にすることを目指している機関です。
H24.5.14更新
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